職場で後輩や部下が「そうそうそう」と言う場面、意外とよく見かけませんか?上司の話に相づちを打つようでいて、どこか急いでいるような、適当にあしらっているような…そんな印象を受けたことがある人も多いはずです。
今回は、目上の人に対して「そうそうそう」を口癖のように使う部下や後輩の心理と、その言葉が周囲に与える印象について解説します。実はその一言、相手を気遣っているようでいて、自分を守るための“防御反応”かもしれません。
上司や先輩に対して「そうそうそう」と言うときの心理
後輩が目上の人に「そうそうそう」と言うとき、そこには慎重に選ばれた“言葉のバリア”が隠されています。
早く話を終わらせたい
内心では「もうその話、わかってるし、終わらせたい」と思っているけれど、露骨に遮るわけにはいかない。そんなとき、部下は「そうそうそう」と共感を装って会話を切り上げようとします。
うわべだけ合わせて角を立てないため
「なるほど」「はい」では物足りないけれど、本気で共感しているわけでもない。そんな微妙な距離感を保つために「そうそうそう」が使われます。これは、意見が異なっても正面からぶつからない“やんわり回避”のテクニックでもあります。
緊張してテンポを合わせようとしている
目上の人との会話に緊張して、沈黙が怖くて「そうそうそう」と反射的に出ることも。実際には深く理解していなくても、テンポを合わせることでその場を乗り切ろうとしています。
口癖としての「そうそうそう」:部下や後輩の性格傾向
この口癖を頻繁に使う後輩には、以下のような性格傾向が見られることがあります。
空気を読みすぎるタイプ
周囲の雰囲気に敏感で、少しでも角が立つことを避けようとします。その結果、「とりあえず共感」的な表現として「そうそうそう」を選びがちです。
自己主張が苦手
本音では違う意見を持っていても、目上の人に逆らうことを避け、「そうそうそう」で流す傾向があります。「異議を唱えるのが怖い」「波風を立てたくない」という心理が背景にあります。
面倒な会話を早く切り上げたい
上司の昔話や説教、長い説明に対して「はい、はい、わかってます」と言いたい気持ちを、やんわりと「そうそうそう」で表現しています。やや“受け流し”のニュアンスが含まれます。
こんな場面で「そうそうそう」が使われやすい
具体的にどんな職場シーンでこの口癖が出やすいのか、よくあるパターンを紹介します。
面倒な説明が始まったとき
「この書類はこうやって、こういうフローで…」「あ、そうそうそう、前に教えてもらいました」など、すでに知っている情報だと感じたときに、時間短縮のために使われます。
説明するのが面倒なとき
せんぱい:「このシステムの操作方法を教えてほしい」
後輩 :「いいですよ。これは〇〇して、次に〇〇して・・・」
せんぱい:「ここが難しいから、この部分だけもう一度教えてほしい」
後輩 :「ここは〇〇して、次に〇〇して・・・」
せんぱい:「理解できた。ここは〇〇して、次に〇〇するんだね?」
後輩 :「そうそうそう」(こころのつぶやき「あー教えるのめんどくせー」)
目上の人から見た「そうそうそう」の印象とは?
部下の「そうそうそう」に対して、上司や先輩はどんな印象を持つのでしょうか?
ポジティブな印象の場合
- 話を理解してくれているように感じる
- テンポが良く、会話がスムーズに進む
- 共感してくれていると錯覚しやすい
場の雰囲気が良ければ、「話のわかる若手だな」と好印象を与えることもあります。
ネガティブな印象になる場合
- どこか軽く流されているように感じる
- 本当に理解しているのか不安になる
- 社交辞令っぽくて信頼しにくい
特に「そうそうそう」が口癖のように多用されると、誠意が感じられず、逆に不信感を持たれることもあります。
まとめ
部下や後輩が「そうそうそう」と言うとき、そこには単なる共感以上の心理が隠れています。会話を早く終わらせたい、無難に流したい、波風立てたくない…そんな思いや処世術が、その一言に詰まっているのです。
上司や先輩からすれば、軽く聞こえてしまうリスクもありますが、背景を理解すれば、若手なりの“気遣い”のかたちと捉えることもできます。次に誰かが「そうそうそう」と言ったとき、その言葉の奥にある本音を、少しだけ想像してみてはいかがでしょうか。
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